2013年5月26日日曜日

ユニバーサルデザインのおはなし。

今日は日曜日ですね。
実は風邪を引いてしまい自宅に籠っていたため、外にでて何か発見!というのが出来ませんでした。
なので今日は日常の発見とは離れて、暖めていた脳内のネタ帳から引き出して書きます。

ずっと書きたかったユニバーサルデザインについて!


ユニバーサルデザイン。最近よく出てくる言葉ですね。
全く聞いた事がないという方はあまりいないと思います。
ではこの言葉の正確な意味はご存知でしょうか?
なんとなく、バリアフリーに近いもの。障害をもった方でも安心して使えるよう設計されたもの、なんて印象もあるかもしれません。
でもユニバーサルデザインとバリアフリーは考えが少し違います。


まず、ユニバーサルデザインの定義として、

「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」


ここには、障害という言葉はでてきません。小さい子供、赤ちゃんを連れたお母さん、歩くのが困難なお年寄り、字の読めない子供、言葉がわからない外国の方…様々な人に使いやすくデザインされたもの、それがユニバーサルデザインです。

バリアフリーは、どちらかというと「特定の人に向けて障壁を取り除く」という補助的な意味合いが強いですが、ユニバーサルデザインというのは特定の人を作らず、使用者全てに対して「誰でもが扱いやすいもの」というような公平性を持っています。


ちなみにこのユニバーサルデザインを世界に積極的に呼びかけたのが、アメリカの優れた設計者、ロン・メイス博士です。
彼はここで7つの提案をしました。後にユニバーサルデザインの7原則と呼ばれる物で
す。


    ⑴.誰にでも公平に利用できる
 ⑵.使う上で自由度が高い
 ⑶.使い方が簡単ですぐわかる
 ⑷.必要な情報がすぐに理解できる
 ⑸.うっかりミスや危険につながらないデザインである
 ⑹.無理な姿勢をとることなく少ない力で楽に使用できる
 ⑺.アクセスしやすいスペースと大きさを確保する


以上が七つの要素です。
今回これを取り上げたのは、最近授業でよく習う「他者がこれを見てどう思うか」「相手の事を考えたデザイン」に通ずる、というかまさにそれだ!と思ったからです。

私たちはこれから物作りをしていきます。それがパッケージだろうがウェブだろうが広告だろうが立体物だろうが、アーティストではない以上、他者の事を考えて発信していきます。

もちろんターゲットにあわせたデザインが第一、というのはわかっていますが、それを意識しすぎて意図せずに誰かにとって不都合な物になっている、ということもありえるかもしれません。

それが、例えば「子供には扱えないように」というような目的があるなら良いのですが、
特に理由もなくメインターゲット以外の使う可能性のある人たちに不都合さをもたらすデザインはあまり良いデザインとは言えないのではないでしょうか。




とまあ、偉そうに簡単に述べましたが、実際にこれをクリアしたものを作成するのは非常に困難だと思います。
私も今考えていて、途方に暮れそうです。そもそもよくわからない。
「相手の事を考えたデザイン」というけれど、そんなことはわかっているし、考えている。考えていない物はきっとないはず。
それが外に出たときに、「相手の事を考えている」と評価されるか否かは、「相手が実際に見て手に取って純粋な喜びを感じるか・満足しているか」という結果によるのだと思います。

デザイナーはクライアントがいて、なおかつそのデザインを利用する人や消費者にも関わっている訳ですから、一つの物をデザインするのに慎重にならないといけないのかもしれません。



デザイン、入る前は近くにあるように見えるけど、実際は思っているよりも遥かに難しくて遠い。
そんな事を最近痛感しています。デザインの世界は果てしない…


ユニバーサルデザイン、調べたら色々と面白かったので、また書こうかなと思います。
次回は牛乳に隠された秘密編!

それではこのへんで!
最近デジタルの後のアナログ作業でついつい「一つ戻る」を考えてしまう伊藤理沙でした!ばーい!






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